2020年度から小学校において「情報技術を手段として活用する力やプログラミング的思考の育成」が盛り込まれることになるのですが、現状教育目標や内容、教育方法、教材、教具、指導体制など、具体的なことはいまだ示されておりません。

そうした状況を受け、フジテレビKIDSは1月9日、次世代を担う子どもたちとその保護者、さらに現場の教育関係者のプログラミング教育のヒントとなることを目的とした番組「beプログラミング2 2020年大予測!小学校の授業はこうなる!?」の制作を発表、授業内容の一部を公開しました。

番組はBSフジで1月22日(日) 12時00分~12時55分に放送予定です。

是非見てみようと思いますが、こちらの記事で指摘されているようにプログラミング教育は2020年度から始まることは決まっていますが、具体的な内容は決まっていません。海外でもプログラミング教育必修化の流れはあり、今の子どもたちが大人になるころにはITリテラシーがないとなかなか職業選択的に厳しい状況にならざるを得ないでしょう。保護者様の立場としてはいったいどういう教育をすればいいか迷われるところだとおもいます。

以下私なりに考えるプログラミング教育のメリット・デメリットです。

【メリット】

・論理的思考力があがる、考えることが好きになる

・学習することそのものが好きになり算数国語といったほかの教科に対しての勉強意欲があがる

・トライ&エラーで試行錯誤を繰り返すPDCAサイクルを実践できる。

・ITリテラシーがつく、英語への抵抗がやらないよりはまし

【デメリット】

・メリットと矛盾するようですが基礎読解力がない子に対して必修化しても結局集団指導についていけず、IT嫌いになる。

・トライ&エラーの世界で自分がインプットしたもののアウトプットがすぐに出るため、正解のないものに対して深く考える、想像力を働かせて行動するといった能力が培われない。

 

総論としてはプログラミング教育を取り入れることには賛成なのですが、結構罠もあるので気を付けてほしいなぁと思っています。楽しんでプログラミングに取り組むことができるようになればおそらく学習能力自体があがるので、全般的にプラスと思われます。またその中からさらに本格的にプログラミングの道に進む子も出てきて、未来のザッカ―バーグなどが日本から生まれるかもしれません。

一方でプログラミングを楽しめなくなった子はプログラミングだけでなくほかの教科も含めて学習そのものが嫌いになっていく可能性があると思います。

プログラミングの学習進度は従来の算数・国語以上に差が付きやすいと思いますので、そのあたりは非常に気をつけて指導をしていく必要あるなーと思っています。勉強嫌いになられてしまっては本末転倒ですからね。

キッズビジョンでは、皆が楽しめるように定期的に発表会を行ったり、ディベート・共同制作を通じて、できる子の能力にはふたをせずに、進度が遅れがちな子もちゃんとついていけるようなカリキュラムを用意しています。それでもクラス分けも行う必要がでて来るとは思いますが、何のためにプログラミング教育を行うのかということを忘れずに取り組んでいきたいと思います。

また2020年度から英語も小学校3年生で必修科目となりますが、こちらも似たようなことが言えると思います。

英語そのものを学ぶことが大切ではなく、ダイバーシティを知ることや情報収集の範囲が増えること、コミュニケーション対象者が増えることに喜びを感じてもらうということが大切だと思います。テクニカルなことだけを言えば5年以内には翻訳こんにゃくみたいな夢みたいな道具が世に出ててもおかしくありません。それほど最近の翻訳技術の進歩は目覚ましいです。コンピューターそのものが自動的に最適解を学習する世の中なので、翻訳などの知識集約型の特定分野における進化は今後ますます加速していきます。

いずれにしても子どもたちが社会に出たあとに自分たちの力で食べていけるための教育をしていきたいと常に考えて行動していきたいと思います。教育環境や受験制度などはかわりますが、社会で通用する人間を育てるという教育の目標は変わらないのでそれを信念に頑張ってまいります。