2016年4月、文部科学省が小学校でのプログラミング教育の必修化を検討すると発表しました。
2020年度からの新学習指導要領に教える内容を盛り込む方向で検討を進めています。
2016年6月に発表されたプログラミング教育のあり方についての有識者会議の議論のとりまとめによると、プログラミング教育とは、「子供たちにコンピュータに意図した処理を行うよう指示することを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育むことであり、コーディングを覚えることが目的ではない。」とあり、プログラミング技術の習得が目的ではないとしています。
一方で、情報化が進展するこれからの社会に求められる資質として以下をあげ、「プログラミング的思考」を身に着けることが、これらの力の育成に役立つとしています。
(1)情報を読み解く
(2)情報技術を手段として使いこなしながら、論理的・創造的に思考して課題を発見・解決し、新たな価値を創造する
(3)感性を働かせながら、よりよい社会や人生の在り方について考え、学んだことを生かそうとする
自動販売機やロボット掃除機など、コンピューターが内蔵された、生活の中で用いる便利な機械は、今後AI(人工知能)の発達により、ますます増えていきます。それらが「魔法の箱」ではなく、プログラミングを通じて人間の意図した処理を行わせることができるものであることを知ることが、重要になってきます。
現段階ではどのような形でプログラミングを学校教育に組み込んでいくのか議論中ですが、有識者会議の議論では、以下の能力の育成を目指しています。
【知識・技能】
(小)身近な生活でコンピュータが活用されていることや、問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
(中)社会におけるコンピュータの役割や影響を理解するとともに、簡単なプログラムを作成できるようにすること。
(高)コンピュータの働きを科学的に理解するとともに、実際の問題解決にコンピュータを活用できるようにすること。
【思考力・判断力・表現力等】
「プログラミング的思考」(=自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力)を育成すること。
【学びに向かう力・人間性等】
コンピュータの働きを、よりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を涵養すること。
(引用:「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について」/平成28年6月16日/小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議)