文部科学省が毎年行っている小学生の全国学力テスト。

秋田県は、2015年まで8年連続で全国1位(2016年は3位)と、トップクラスの地位を保っています。

一方、東京の結果は、全国9位(2016年全国学力テスト小学生正答率データ)。ちなみに、小学6年生の通塾率でのトップは東京、一方の秋田は47位と最下位です。(通塾率データ

塾に通わずに高い学力を出せる秋田県の小学生の秘密はどこにあるのでしょう?文部科学省をはじめ、様々な機関が秋田の小学生の学力の秘密を調査してきました。

早寝早起き朝ごはんの習慣、少人数指導と複数の教師が学級を受け持つ、児童が話し合い、『なぜ』を追求していく授業が確立されていること、毎日の読書習慣など、秋田ならではの様々な特徴が学力の根底にある、と分析されています。その中でも注目されているのが、「家庭学習」・「自主学習」などと呼ばれる、家庭における学習と学習ノートの存在です。

秋田の「自主学習」の最大の特徴は、児童が毎日、自分自身で学習内容を決め、計算・漢字・日記・都道府県の特徴調べなど、それぞれのスタイルで学習にとりくむ、という点です。先生が出す「宿題」をこなすのではなく、自分自身で課題を決め、興味のあるテーマについて調べたり、学校の授業の予習・復習を行うことで、学習習慣と学力の定着や、知的好奇心の向上をはかっています。学習ノートには、児童ひとりひとりが工夫してその日の学習内容を記録、後から見返したり、友達とノートを共有して参考にすることができます。また、学校と家庭の両方で、学習内容を先生と親が確認し、褒めたり、フィードバックを行うことで、子供のやる気を育てていきます。

キッズビジョンの「自主学習道場」「キッズワークショップ」は、この秋田式学習法をベースにカリキュラムを設計しています。秋田では、この自主学習や家庭学習ノートに毎日取り組むことが当たり前になっており、みんながやるから自分もやるのが当然、という環境が出来上がっていますが、(例えそのような環境を自宅学習で実現されているご家庭はあっても)東京の小学校で、全児童が宿題とは別途、自分のテーマに沿った学習を習慣化している、という学校はまだまだ少ないと思います。最も重要なのは、本人のやる気ですが、環境づくりと周囲のサポートも同じくらい重要になってきます。キッズビジョンでは、”自分で決めて取り組む”学習習慣作りに加え、キッズビジョンチューター(指導スタッフ)が学習内容を丁寧にフィードバック、つまずく点をフォローしながら、子供の自主的な学習意欲を育てていきます。

また、読書を重視していることや、学習していることが、以下に社会とつながっているかを実感してもらうことに重点を置いているという点も同様です。

秋田ではほぼすべての小学校で毎朝の読書を行っていますが、キッズビジョンでも、蔵書を豊富に用意し、毎日の読書と読書日記を習慣化しています。(秋田の中でもトップクラスの学力を誇る東成瀬村は、人口2630人、うち35%が高齢者という村ですが、図書予算は全国平均の4倍となっています。)本を読むことが一度習慣化すれば、子供は放っておいても好きな読み、語彙力と表現力、想像力を育てていくでしょう。

更に、何のために国語・算数・理科・社会を勉強するのか、それらが社会でどのように使われ、役に立っているのか実感してもらう工夫を随所にこらしています。こども新聞やお仕事体験で、学習内容と実社会の結びつきを出来るだけリアルにイメージ、体感してもらいます。

低学年のうちは、よく遊び、興味・関心のあることに熱中する、ということも大切ですが、それと同じくらい、「学習」を自分から行うもの、楽しいもの、役に立つものとして習慣づけることが大切になってきます。短時間でも机に向かい、自分の興味のあることを調べ、考えることが、将来の財産になっていくでしょう。

秋田の子ども達に負けないよう、学校やご家庭と連携をはかりながら、子どもたちの自ら学び・考える力を育てていきたいと思います。